1.研究開発の経緯・概要
以前より当社は、経営革新また社会的存在意義の一環として環境保全という付加価値のある新環境製品の開発に取り組んでおりました。
そのひとつとして、素材として竹を用い、それから繊維を取り出すとともに、これを重量比で51%以上含有した低環境負荷の生分解性樹脂ペレットの製造方法およびこのペレットを用いた射出成形技術を開発してきました。
さらに、これらの製造方法ならびに技術を応用し、環境にやさしい学校給食用食器を商品開発することを模索してきました。
2.研究体制
- 株式会社 岩本金属製作所
- 近畿経済産業局開発助成金対象事業
(H18~19地域新生コンソーシアム研究開発事業「放置竹林の竹を用いた竹繊維強化グリーン複合材料の開発」) - 同志社大学竹の高度利用センター(産学連携事業)
- H19~24大阪府経営革新事業(特定分野「環境」)
- 福岡県立花町バイオマスタウン構想(官民連携事業)
- 大阪市立工業研究所共同研究
3.竹食器の新規性・有意性
まず今回の開発の新規性としては、従来存在しなかった素材を用いて給食用食器を製造することにあります。この素材とは、竹の繊維で強化されたPLA(植物由来樹脂)材であります。
今日まで学校給食食器は主にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボナイト、ABS樹脂などの素材を使用していますが、児童に対する環境ホルモンの危険性や焼却時に発生するダイオキシンの問題が指摘されております。この素材で成形された食器は外見上は従来の食器と同一でありますが、
100%植物から構成されているため軽量かつ人体に有毒な物質を内包せず、児童にとって安全といえます。
さらに日本全国で森林や里山を侵食している竹害を防止するための竹の有効利用であり、またこの素材を積極的に用いることで石油由来の合成樹脂の使用量を減らせることができます。
竹を51%以上加えることにより“グリーン購入法”の対象商品に合致し、そして廃棄焼却時にもカーボンニュートラルであることからCO2削減を目標としている“京都議定書”にも準じるので学校給食用食器としてははじめての環境配慮型となります。
各都道府県が学校給食に本食器を採用されれば環境保全に貢献することとなります。
*カーボンニュートラル
バイオマスは有機物であるため、燃焼させると二酸化炭素が排出される。
しかしこれに含まれる炭素は、そのバイオマスが成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素に由来する。そのため、バイオマスを使用しても全体として見れば大気中の二酸化炭素量を増加させていないと考えてよいとされる。この性質をカーボンニュートラルと呼ぶ。


